沖縄一日目

 とりあえず公約(!?)通り、記憶が新しいうちに沖縄日記に着手します。そういえば、今日七夕ですね。しばらくは、節約生活の予定です。来週末はおそらく横浜に戻っているはずです。

6月27日(水)
 8:05伊丹空港発の全日空101便に乗るために、モノレールに乗る。最寄り駅の南摂津駅は、始発の門真市駅から数えて三つ目にもかかわらず、朝早いにもかかわらず、かなり混んでいた。大きい荷物を持っている人が多い。今回は、一ヶ月以上前から六月末に休暇を取ると周囲にかなり宣言して、一ヶ月以上前に上司に印鑑を押してもらって、28日前までに航空券購入の旅割利用で、かなり用意周到に準備していた。30歳のバースデーを記念して、人生に一区切り、自分にご褒美という意味合いの旅。那覇空港で乗り継ぎだが、チェックインカウンターで荷物を石垣空港まで預かってもらうことにする。荷物検査を終え、搭乗ゲートに向かう。羽田行きはだいたい9番ゲートか、10番ゲートであり、数え切れないほどここから乗っていった。今回は、8番ゲート、いつもの隣のゲートである。隣、といってもかなり離れていた。羽田行きと、那覇行きの客層のあまりの違いは、ある意味感心した。羽田行きは殆どがスーツ姿のビジネスマン、那覇行きはラフな格好の若者ばかりである。
 約二時間のあっという間のフライト。那覇空港に近づくと、眼下に海が広がる。いかにも南国の海という感じで、色が美しい。那覇空港に到着。ついに、生まれて初めての沖縄である。これをもって、何を隠そう日本全国47都道府県一通り足を踏み入れたことになる。
 石垣行きのフライトは四時前なので、六時間近く時間があるので、軽く市内を散策する。数年前に開通した、ゆいレールに乗る。日本最南端の鉄道である。ちなみに那覇空港駅が日本最西端の駅で、その隣の赤嶺駅が日本最南端の駅である。モノレールに乗って、車窓を眺めていると、どこと無く日本国内でありながらも、日本離れしている光景に思える。人の顔つきも、微妙に違う。とにかく、建物の色が明るい。外壁が白系のマンションなどが多い。何となく南欧を彷彿させる。途中に見える干潟が、あの有名なちょっと口に出して発音するのが恥ずかしいような、湖である。とりあえず、目的地である牧志駅で降りる。戦後いち早く復興して、奇跡の1マイルと呼ばれた「国際通り」の最寄り駅である。
 南国特有の生ぬるい風に誘われるままに、街中へ繰り出す。とにかくお土産屋が多い。客引きも多いけど、余りしつこくないので、すごく好感が持てる。毒蛇である「ハブ」をそのまま瓶詰めにしてつけた「ハブ酒」、ものすごい迫力がある。まるで迫ってくるかのようである。アーケードの商店街を歩く。途中で、生ゴーヤジュースなるものを試しに飲んでみる。予想通りの苦い味、それでも少し甘くしてあるようである。昼食はその辺のお店で沖縄そばを食べる。独特の味をした蕎麦に、豚のアバラを煮込んだソーキが入っている。一緒に出された、「さんぴん茶」というジャスミンティーがおいしい。修学旅行の高校生が多いらしく、色々な高校の人が色紙らしいものを書き込んでいる。仲には「横浜緑ヶ丘高校」とか、見慣れた名前も…。牧志特設市場へ入る。とにかく、見たことも無い魚が並んでいる。イラブチャーと呼ばれる青色のアオブダイ、全身を針で覆われたような奇妙な形のハリセンボン、マングローブガサミと呼ばれる、変わった形のはさみを持ったカニヤシガニなど、とにかく本土ではなかなか見られないような魚が並んでいる。その場で調理して食べることも可能である。その他に、豚の顔の皮「チラガー」とか豚の耳「ミミガー」など、豚料理も多い。コラーゲンが豊富で、肌にいいらしい。そして、なんとまあ豚の頭にサングラスをかけさせている、ちょっと不思議なディスプレイも…。他にも、手でちぎって食べることができるスナックパイン、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツなど、南国の果物が並んでいた。
 国際通りをひたすら歩いて、旭橋駅から再びモノレールに乗り、那覇空港に戻る。15:55那覇空港発の全日空1778便で石垣に向かう。とはいうものの、那覇空港の滑走路の大混雑で、出発がかなり遅れた。外は快晴。かなり前から予約を入れていたおかげで、しっかりと窓側の席を確保。八重山諸島の島々も眼下に広がる。やがて飛行機は、石垣島の上空にさしかかり、着陸態勢に入り、高度を下げていく。そして急降下、激しい音を立てて、滑走路に着陸したと思ったら、急制動(急ブレーキ)…。命がけの着陸。噂には聞いていたけど…。石垣空港は滑走路が短く1500mしかなくて、飛行機の車輪が陸に着いたと思ったら、急制動を行わなければいけないらしい。滑走路が短いおかげで、東京や大阪方面からの直行便は着陸できても、遠くまでは飛行機は飛びたてないらしい。沖縄本島が限界らしい。そのおかげで、石垣新空港を作ろうという議論がなされ、当初は世界的な珊瑚礁で有名な白保地区を埋め立てる計画が発表されたが、自然保護団体の猛反対で撤回、結局内陸部に新空港地が決定された。それでも生態系に与える影響が懸念されるので、建設工事は慎重という。
 桟橋行きのバスに乗り込む。沖縄本島よりも南側であり、かなり南国的な雰囲気である。隣に座っている女性二人組が、どうやら行き先を間違えたらしく、困っている様子であった。服装がかなり華美だったし、何となく芸能人っぽかった。一体誰だろう…。
 桟橋から、最終の小浜島行きの高速船に乗り込む。辛うじて間に合った。高速船がとにかく飛ばす。海の上を跳ねるように、猛スピードで進んでいく。途中で、竹富島が見える。赤瓦とシーサーの家々が並び、星の砂と牛車で有名な島である。ここもいつの日か行ってみたいなあ。
 小浜島の桟橋にたどり着いた。ちゅらさんの主人公恵理が何度も行ったりきたりした場所である。迎えの車に乗り込み、宿泊予定の集落の民宿に到着。とにかく暑い。それでも夕方ともなると、風が涼しくて心地よい。部屋は少し汚かったけど、かなり広々としていた。シャワーは共同で、本当にシャワーだけである。湯船に浸かる習慣はあまり無いのかなあ。一泊二食付で五千円なので、安いと思う。
 丁度居合わせた宿泊客との話が弾む。神奈川県は茅ヶ崎から来た老夫婦、夫婦でダイビングらしく、旦那の取ったマンタ(イトマキエイ)の映像をBGM付で見せてくれた。もうすごい迫力。いつの日か見てみたいな。ダイビングの免許取ったままのペーパーダイバーだけど。
 DA PUMPSHINOBUさんの実家でもある民宿。写真集とか、発売前のCDとか、色々と置いてあった。丁度SHINOBUさんご本人から電話がかかってきていて、丁度止まっていた埼玉から来たという大ファンの母娘が電話で話をして、感激していた。泡盛を飲みながら、お酒弱いからかなり水で薄めたけど、他のお客さんやSHINOBUさんの父親である宿のオーナーと語り合った。外は心地よい風が吹き抜けていく。何一つ騒音が聞こえない島。時折部屋を這っているヤモリの「キキキッー」という鳴き声が聞こえる。沖縄では、家を守ってくれる守り神のように崇められていると言う。ヤモリの鳴き声、風の音、都会の喧騒を忘れさせていくかのような、心地よい空間がそこにはあった。