沖縄二日目

 気づいたら、殆ど一日中寝ていました…。一切外出していません。なんかもう、駄目人間っぷりを発揮しているようです。

6月28日(木)
 朝食後、近くを散歩する。小浜島はこの中心集落にかなり人口が占めていて、そのほかの海沿いのエリアはリゾート開発がされている。ヤマハリゾート「はいむるぶし」などがそのいい例である。「ちゅらさん」の舞台となった「こはぐら荘」が意外と近くにあった。一般の民家なので、立ち入ることはできない。反対側の海の方に向かって歩いていく。集落を外れると人家もまばらになってきて、牧場とサトウキビ畑が一面に広がる。そこら中に牛がいる。牛の耳にはタグのようなものがはめられている。今流行の「トレーサビリティー」というものであろうか。こういう部分だけ、不思議と最先端である。今考えてみれば、Tシャツの色が赤色である。牛が興奮しないのか、心配になってくる。
 民宿でレンタサイクルを借りて島を回ることにした。一日1000円なので、意外と高い。ちなみに原付は5000円。意外と起伏が多いので、原付を使うことを勧められたが、普通免許があるから原付は乗れるはずだけど、運転したことがないので辞退しておいた。
 近くにガソリンスタンド併設の売店があったので寄る。おばあちゃんが一人で店番をしていた。2リットルの「さんぴん茶」のペットボトルを購入。店の中を見ると、昨日茅ヶ崎の老夫婦がマンタの映像を流したときに流していたBGMの曲の歌手のチラシが。この曲自体全く知らなかったけど、ホッとするような透き通ったメロディー、心癒される歌声が印象的であった。そこで、おばあちゃんが一言。
 「これうちの孫娘、よかったら一枚持っていって」
との事。

http://siori-net.jp/

 沖縄、もしかしてミュージシャン率高い??? 彼女がメジャーになる日が来るかどうかはわからないけど、それでもすごいなあ。
 とりあえず、自転車で島一周を目指す。シュガーロードと呼ばれる、一本道がある。本当に一本道の坂道で、両側にはサトウキビ畑が広がっている。サトウキビは、風に揺られると、本当に「ざわわ」という音がするようである。坂道を下って港に行く。港の近くでただひたすら、行き交う船を眺めている。どこまでも青く澄み切った青い空、白い雲、まるで夢の世界。この港で、数え切れないほどの旅立ちがあり、別れがあり、そして再会があった。数々のドラマを生んだであろう桟橋。
 集落に戻って、喫茶店で昼食。外は燦々と照りつける太陽なので、冷房が効いたお洒落な喫茶店はホッとする。とりあえず、ランチセットにとどまらず、チラガーサラダと、黒糖パフェを食べてみる。豚の顔の皮のチラガーは、思いのほかに美味しかった。黒糖も苦味があるものの、しつこくない甘さが心地よい。喫茶店のすぐ横には小浜小・中学校があった。小学校と中学校が同じ敷地で隣り合っている。高校は島には無いので、石垣まで毎日通うか、下宿するか、沖縄本島に下宿するかなのであろう。
 宿の部屋に戻って、一時間くらい休憩。窓を開けるといい風が入ってくるので、エアコンがいらない位である。島の五分の二くらいの周りは自転車で回ったことになるはずなので、残りの五分の三を回るべく再び自転車で出発する。大岳(うぶだけ)と呼ばれる山に登る。山といっても、標高100mも無いくらいの丘である。丁度島の真ん中くらいにあるので、島の四方が見渡せる。
 再び自転車を走らせる。道端に咲く赤いハイビスカスの花が丁度見頃なので、思わずシャッターを押す。「ちゅらさんの碑」と呼ばれる碑がある。その遥か向こうには「和也くんの木」というのがガイドブックによればあるはずなのだが、何となくどれだかわからない。海を挟んで反対側は西表島である。あの「イリオモテヤマネコ」で有名な。ここもいつの日か行ってみたい。大阪の河内長野から来たというおじさんに会う。そのおじさんが言うには、お笑いタレントの出川哲朗小浜島に来ているとか、奥さんではない美人の女性と一緒に。石垣島から小浜島に向かう船で一緒だったらしい。
 さらに島の南西に向かう。とにかくアップダウンが激しくて、息が切れる。実家が山がちなところなので、多少の起伏は慣れているつもりだが、普段運動不足のみにはかなりきつい。でも、一度島を一周すると決めた以上は、絶対に途中では諦めたくないので、体力もかなり消耗しているが、それでも気合でペダルを漕ぎ続ける。島の南西の細崎には巨大な「マンタ展望台」があった。さっきの河内長野のおじさんと再会して、記念写真を撮ってもらう。そこからひたすら東に走り、港近くまで行ったら坂道を駆け上がった、集落に戻る。
 島の一周は達成した。周囲約16.6kmなので、そこまで長い距離ではないが、思いのほかの起伏が多くて、日差しも強烈だったので、かなり体力的にはきつかった。さすがに一日中日差しが強烈な島にいたので、前回の南米での反省を踏まえて日焼け止めクリームを大量に塗ったにもかかわらず、かなり日焼けをしてしまっている。沖縄の太陽の前では、日焼け止めも無力に近いのだろう。それにしても、沖縄出身の女性タレントの肌が白いのが謎である。強烈な日差しを浴びても焼けない体質が遺伝しているのであろうか。
 宿に戻ったら、近所のおじいさんが遊びに来ていた。焼けた肌、どろどろに汚れた作業着が印象的。サトウキビを振舞ってくれた。サトウキビの茎をしゃぶりつくように舐めると、甘い汁が出てきて美味しかった。今日はそのおじいさんも交えての宴会。よく話を聞いてみると、早くして奥さんを亡くして、男で一人で三人の子供を大学まで行かせた苦労人みたいである。
 そして、ついに年を一つ重ねた。生まれて初めての沖縄で、記念すべきバースデーを迎えられたことは、貴重な思い出となって記憶されていくであろう。