中東日記 2

miyatan2007-10-16

 ようやく、中間決算説明会も終わり、仕事が一段落着いたので、ようやくまともな時間に帰宅できそうです。決算なんて、もう終わったことだから、忙しさはまだましです。それよりも、予算作成の方が嵐のようです。でもそういう仕事やること自体今年になって初めてなので、わからない事だらけで、かなり戸惑い気味です。。。

9月23日(日)
 昨日は疲れていたので、さすがに朝はゆっくりと起きる。昨日一緒だった三名は、もう既にエルサレムに向かって旅立っているのであろう。ラマダンの時期なんで、もちろんゆっくりと朝食、なんていうことは無い。しっかりと睡眠をとって、シャワーを浴びて、アンマンの町へと繰り出す。
 日曜日、とはいってもイスラム教の世界では安息日は金曜日なので、平日とさして変わらない。ちなみにユダヤ教が土曜日で、キリスト教は日曜日。とりあえず、アンマン城を目指す。交通量がかなり多くて、町歩きが大変である。ガイドブックの地図とにらめっこしながら、何度も道に迷う。かなり迷宮のような街のつくりである。途中で現地のおじさんが、私のことを異国から来た観光客と思ったのか、住宅街の合間の階段状の道を指差す。この道でいいのかな、と半信半疑で階段を登っていくと、中柱が。目指していたアンマン城にたどり着いた。
 と思ったら、いきなり見知らぬ男たちに囲まれた…子供だけど。なんかよくわからないけど、カンフーの真似事か、プロレスの真似事か、大声を上げて格闘技の真似事をして襲い掛かってくるふり。こっちも負けじと、カンフーだかよくわからないけど、真似事。そんなこんなで、子供たちとしばらく遊んでいたら、最後は笑顔でグッバイと言って立ち去った。まあよくあることだけど、子供って無邪気でいいねえ。
 ここアンマン城は市外を見下ろす高台に位置して、かつては要塞のような役割を担っていた。今は、ヘラクレス神殿のあとの巨大な柱や、ビザンチン時代の教会跡、ウマイヤ朝時代の離宮の跡など、が広がっている。そして遥かかなたに巨大な国旗が風になびきながらも聳え立っている。横60m、縦30mもあるという。いつもように、そこら辺にデジカメをおいて、セルフタイマーをセットして記念撮影。殆ど一人で旅しているので、さすがにセルフタイマー撮影も慣れてきた。
 その後は、ローマ劇場、ヨルダン伝統文化博物館、ヨルダン民族博物館、オデオンに入る。すべて一枚に共通チケット。ローマ劇場は、6000人収容できるというローマ帝国時代に築かれた劇場。円形のステージを囲むように何段もの階段があり、そこが観客席のようになっている。似たようなものが、ローマ帝国支配下であったあちこちにある。オデオンは似たようなもので、こちらは小型ステージ。博物館では、それこそベドウィンの民族衣装なども展示されていた。
 時間になったので、宿に戻る。昨日募った四人で死海に向かうタクシーに乗る。往復で合計20ディナール。3400円くらいである。一人当たり850円くらい。岐阜県から来ている公務員の社会人の男性、名古屋から来ているタイでマッサージの修行をしてから長期旅行している男性、熊本県出身で一ヵ月半の休暇をとって世界一周チケットで旅行中の販売員の女性、の合計四名。公務員の人が何気に横浜国大出身だったり、熊本の女性が一時期大船で働いていて、今まで住んだ場所の中でもあの辺が一番よかったなんて言っていたり(←こういうことをいわれると素直に嬉しい)、妙なつながりを感じる。アンマンは標高900mくらいであり、死海は何を隠そう地球上(大陸上)で最も低い海抜マイナス410m。その差1000m以上を、タクシーは一気に猛スピードで下っていく。どこまで行っても乾ききった大地、途中で谷間の狭間から死海が見えたとき、ちょうど夕暮れが近かったこともあり、どことなく天空から一筋の光が差し込み、神の国のような神秘的な光景であった。
 公営のアンマンビーチに到着。入場料は5ディナール。とりあえず、お約束の写真をとってもらう、死海に浮かびながらも新聞を読む姿を。でも、なかなかうまくバランスが取れなかった。浮くには浮くんだけど、バランスが…。塩分濃度30%。それに加えて、様々な鉱物成分も混じっている。少しでも体に傷があると、とにかくしみる。涙が止まらないくらいにしみる。そして少しでも水が目に入ったときには、涙で洗い流さなければ目が開けられないくらいに痛い。少しでも口に含んだら、塩辛いを通り越して、舌がしびれるくらいの感触。髪の毛が水をかぶったら、まるで髪の毛を固めたかのようになってしまう。なんか、無重力世界のよう。足がつかなくなったと思った瞬間、浮力で沈まずに、沖までいける。ちょうどヨルダンとイスラエルの国境に位置するが、イスラエルまで密入国できそうなくらいである。もちろん遮る物は何も無いし、イスラエルは警備が厳しそうだし、密入国は厳しいだろう。狭い海峡、たとえばジブラルタル海峡を渡って密入国、と言う話を聞くが、死海を渡って密入国、と言う話は聞かない。かなり沖までいくと、監視員のような人に笛を吹かれ、沖まで戻るように注意された。
 日が暮れていく。夕日が綺麗だ。岸で、その辺にある砂とか泥を体に塗ってみて、水で洗い流してみる。お肌がすべすべになった気がする。シャワーで体を洗い流す。日が暮れると一気に冷えてきた気がした。とりあえず今回の旅の主要な三つの目的のうちの一つ「死海に浮かぶ」を早々と達成、一昨年の会社の人達と愛地球博に行って、ヨルダン館に行って、体験浮遊コーナーを傍目に見学してからずっと行きたかった死海
 上手い具合に翌日エルサレムに向かうメンバーも六人集まった。タクシー二台で分乗してターミナルに向かうことになった。たまたま宿で知り合った一名の女性、本当はヨルダンにだけ行く予定だった。周りの人にそそのかされ(?)、イスラエルにも行く事に。
 「いやあ〜、ヨルダン行ったついでにイスラエルまで行ってくるのは、動物園にまで行ってきてその帰りに博物館に寄るようなものだよ〜。せっかく動物園に来たんだから、ついでに博物館行ってもいいんじゃないの〜」
 なんて言う人がいるから。それにしても、名言(迷言!?)ですね。キャッチフレーズみたい。
 明日にはついにかねてから行きたかったエルサレムにいる、と考えるとどきどきしてきた。。。とりあえず明日きちんと起きられることを願って、眠りにつく。