突然の別れ…

 人との別れは、思いもよらないときにやってくる、そう感じた一日であった。突然すぎて、現実が受け入れられず、落ち着いた頃に、思い出が走馬灯のように甦り、そして駆け巡り、今まで抑えていた感情がわっと浮かび上がり、そして途方に暮れる。

 銀行二件寄ってから出社したので、かなりギリギリだった。8:45以降で無いとATMが動かないので仕方が無い。。。急に、臨時朝礼に。

 「非常に悲しいお知らせがあります。昨晩、F課長が突然お亡くなりになられました。」

 正直、言葉を失った。入院していたとは聞いたが、あまりに突然すぎて、信じられなかった。まさかと思った。腸捻転、だそうである。

 何を隠そう、大阪に転勤する前の、東京勤務の頃の二年くらい直属の上司だった方で。。。というか、その頃F課長の下は、日本人の私と、中国の現地スタッフだけでアジア地域の営業担当をやっていたので。。。当時は普段は香港にいたので、直接顔を合わす機会も少なかったけど。

 怖い人でしたよ。怒鳴られたこと、数知れず。。。大喧嘩したこともあったし。正直ビクビクしている面もあった。

 でも配属されて間もない頃から、色々と気を遣ってくれて、暖かいメールも色々と頂いたこともあった。どことなく、いずれはこの人が自分の上につくことになるんだろうなあ、となんとなく予感していた。そりゃまあ、数少ない大学の先輩ということもあったし。(ちなみに何故か社内に、大学の後輩はやたら多い。。。)

 100キロ以上あるであろう巨体、マフィアのような風貌、やたらと大きな声、周りから反発されようが自分の意見をかなり物怖じせずストレートに語る情熱、仕事にかける情熱、その一方でジャズやクラシックなど芸術を愛するところ、独りが寂しいのか顔が広いのかやたらあちこちの知人たちに電話を書けるところ、流暢な英語、独自の理論、いい意味でも悪い意味でも、社会人になって仕事で出会った人物の中でも、自分の中では印象の強さは圧倒的にナンバーワンであった。

 生まれて初めての海外出張(香港)を実現させてくれたのも、そのとき一緒に行かれたのも、その方だったし。かなり厳しくて、正直辛かったけど、その反面情熱や思いやりも感じていたし。褒められた事も、認められたことも色々とあったし。香港のお客さんの前で、「こいつは俺が責任を持って育て上げる」なんて言っていた事もあったし、すごく嬉しかった。

 色々と厳しいことも言われたけど、その悔しかった分自分で成長して、いつか見返したい、なんて思っていた矢先である。。。一緒に行った出張も何度かあるし、一緒に成し遂げた仕事も沢山あったし。

 毎年のように体調を崩して入院して、そのたびに不死鳥のように甦ってきた。自分で何事もなかったかのように、退院後は毎年恒例の行事なんて言って、ガハハと笑っていた。今回もそんなもんだろうなと、入院したと聞いても、そこまで気にしていなかった。まさか、そんなこと無いだろうなと思って。そして、そのまさかが起こった。。。

 普段はブログに、仕事の事とか、会社の人間関係の事とか、滅多に書かないけど、今日はさすがに津々浦々と書き連ねてしまった。。。なんかこの文章を書いている最中も、目から涙がこぼれてきている。

 本当に、出会えたことに感謝して、学んだ教えは胸に秘めて、歩き出していきたい。。。

 ご冥福をお祈りします。