松山〜宇和島〜宿毛〜中村(四万十市)〜土佐清水〜足摺岬

 昨日まる一日移動で疲れていたので、朝はゆっくりとする。電停に向かったら、ちょうど緑色の「坊ちゃん列車」という観光列車がいて、記念にあわててシャッターを押す。上手く取れていたどうかは微妙。列車とバスを乗り継いで足摺岬を目指す。四万十・宇和海フリー切符というのを利用する。

http://www.jr-eki.com/service_ticket/htm/shimanto_uwakai.htm

 松山から伊予大洲までは時間もあったのでなんとなく内子線経由のローカル線で行き、伊予大洲から宇和島行きの特急列車に乗る。「アンパンマン列車」という列車であり、車両の天井や、車両の外側にアンパンマンのキャラクターの絵がたくさん描いてある。時折海が見え、みかんの段々畑が見える。終点の宇和島に近づくと、お馴染みの「アンパンマン」のメロディーが流れ、放送が流れる。宇和島駅で、親子連れがたくさん、子供をアンパンマン列車の前に立たせて、「ケータイ」で写真を撮っていた。ケータイで写真を撮っている辺りに時代の流れを感じる。宇和島から宇和島自動車のバスに乗り、高知県宿毛(すくも)に向かう。途中で大渋滞にはまりかなりあせる。時折見える豊予海峡が美しい。
 宿毛から土佐くろしお鉄道の特急で中村に向かう。これまた「アンパンマン列車」であった。意外と込んでいた。土佐くろしお鉄道国鉄の旧中村線を受け継いだ第三セクターであり、宿毛まで開通したのは平成に入ってかららしい。そのおかげで、終着駅の割にはかなり新しい。最近事故が合ったらしい。線形もよくて、かなりディーゼル車が飛ばし、あっという間に中村に着いた。中村はもともと中村市であったが、平成の大合併で「四万十市」となった。道路標識が「四万十市(旧中村)」とずっと書いてあって、これだけの道路標識を合併に応じて書き換えるのは大変だと思った。そこからバスに乗って足摺岬に行く。レンタカーも考えたが、バスで行くことにしたが、それが後ほど正解だと分かった。土佐清水バスセンターを過ぎて、バスは反時計回りで足摺岬を目指す。途中で、車がすれ違えないくらい狭い道が続いた。いちいち、車がすれ違える場所までバックして、すれ違い、を繰り返した。宿に荷物を置き、近くの洞門、足摺岬灯台を目指す。辺りに生えている植物が、もう日本のものとは思えない、まるで東南アジアにいるみたいである。断崖絶壁であり、それを洗い流すように高波が押し寄せてくる。南国の赤々とした太陽が微笑みかけてくるかのようである。はるか遠くには、貨物船やフェリーが大海原を駆け巡り、行き交う。
 同宿の人は、バイクで旅する人ばかりであった。ものすごく交通不便な陸の孤島、松山から特急を使って、バスを乗り継ぐこと六時間以上、接続がよかっただけまだよかったが、すごく疲れた。そんな疲れた身体を、潮騒の音が癒し続け、眠りにつく。