アンデス日記 7

 そういえば、千葉県柏市の、東武野田線で手錠のかかった男性がはねられて死亡した事件は、中学生だと知って驚いた。20〜30歳代の男性って最初に聞いたので…。自殺らしい、今聞く限りでは。友人の死でショックを受けていたとか、少し前に自殺をほのめかすことを言っていたとか、徴候はあったらしい。多分、親戚の家の近所だと思う。増尾駅の辺りって言っていたから。更にもう一件、淀川河川敷で男性の遺体があったという事件。こちらは犯人が捕まっているようだけど、最初は20〜30歳代といっていた。意外とわからないものなのかなあ。。。この事件、今住んでいる所からあまり離れていないみたい。地下鉄谷町線太子橋今市駅近くっていっていたから。やっぱり、大阪って凶悪犯罪多くて危ないのかなあ。。。

2月10日(土)
 一応れっきとしたビジネスホテルのようで、ビジネスマンっぽい身なりの整った宿泊客もそれなりにいるようである。ホテル内で朝食を摂る。とりあえず、適当に街を観光して、夕方のアメリカン航空の便に間に合うようにラパスに移動して、お土産を買おうと思う。荷物を一旦預けてチェックアウト。ラパスからオルーロは道路がわりとしっかりしていて、バスの本数もかなり多い。そのおかげかどうかはわからないが、ラパスとオルーロを結ぶ鉄道路線は廃止されてしまった。地図で鉄道の線路が欠いてある場所に行くと、線路が見事に撤去されている。線路があったであろう場所はコンクリートで埋められていて、かつて列車が走っていたことは容易に想像ができる。そのかわり、というわけではないが、近々開催されるカルナバルの会場になるようである。おそらく線路跡の大通りでお祭りが行われ、それをまたぐように装飾が工事されている。その道路の両脇には、特設の巨大ベンチが設置途中であった。町の中心に向かって歩いていくと、マーケットがあった。週末ということもあり、それなりに賑わっていた。生活用品を売るお店ばかりで、お土産のようなものは殆ど見当たらなかった。もっとも、カルナバルの時期以外はあまり見所のない工業都市なのだから、観光客など稀なのであろう。あまり大きなスーパーマーケットなど無さそうな町で、日常品、食品は何でもそろうような印象を受けた。とりあえず、ベルトを一つ買った。丁度今つけているベルトはアルゼンチンにいるときに買ったものだけど、結構長持ちしている。少しへたっているけど、手工芸品のおかげだろうか、逆に帰って味わいのあるような風貌になってきている。長持ちしないかなと少し期待する。日本円で200円強くらいで買った。黒いベルトで、オルーロと書かれている。もう少し高いものは、いかにも贋物という感じのブランド品、ダンヒルとか、アディダスとか、とにかく書かれていた。適当に街を歩いていると、よくわからないけどパレードに遭遇した。楽団が演奏しながら街中を行進して、何か表彰されている人たちも更新していた。何の表彰かはわからないけど。
 結局、コーヒー、マテ茶をはじめとするボリビアのお茶セットなどを購入。それ以外にもディアブロ(悪魔)の置物とか。結構壊れそうなので、慎重に運ぶ。ターミナルで、たまたまこれからウユニに行きたいという、日本人男女にあった。以外といるものである。ラパス行きのバスに乗り込む。どこで降りるのかと聞かれて、とりあえずラパスのターミナルと答える。バスのチケットには、ラパスではなくEl Altoと書かれている。もしかしてエルアルトまで行くのかと聞いたら、気にしなくていいといわれた。三時間程度で着くのかと思ったら、意外と時間がかかった。途中で降りる人たちも多いし、途中でかなり渋滞もした。正直な話飛行機間に合うかどうかもちょっと微妙で、かなり焦った。途中から、高速道路に入り、山を一気に下る。おそらくこの坂道を折りきった辺りがラパスのターミナルだと思う。なんとなく、ウユニに行くときに通った道なので、うる覚えながら覚えている。ターミナルについて、バスを降ろされた。てっきりエルアルトまで行くのかと思っていて、聞いてみたら、エルアルトはもう山の上で通り過ぎたという。しまった、高速に入る前に降りた方がよかったのか。とはいっても、かろうじて飛行機に間に合いそうである。あわててタクシーを拾う。40ボリビアーノで行ってくれるようである。それが高いのか安いのかはわからない。タクシーは、すり鉢上になっているラパスの街を駆け上がっていく。本当に「すり鉢」という表現があっている町である。高速を出て、少し裏道を入った辺りに、ラパスの玄関口「エルアルト国際空港」はあった。何を隠そう、世界で一番高い場所にある空港らしい。アメリカン航空のターミナルまで連れて行ってもらう。あわててカウンターに走り込むと、なにやら若い日本人男性二人組とカウンターの女性がもめている。二人組が話しかけてくる。
「日本人ですよね。ちょっと話してもらえますか?」
 どうやら、飛行機が飛ばないらしい。理由を聞くと、「Shortage of fuel」といわれる。燃料不足???代替スケジュールを提示される。翌日の朝ラパスを出発して、最終的には13日に日本に着くという。帰国が遅れてしまう。13日は会議がある。当然出れない。何とか必死に交渉する。日本は12日が国民の祝日で、13日は平日で仕事があるので、12日中に帰らなければならない、と。今から例えばリマまで飛んで、そこから北米の飛べば間に合うのかなとも思うが、そういったフライトはないようである。国際空港とは思えないほどの、便数の少なさ。同じワンワールド同士の航空会社なら、こういうときに助け合って代替ルートを探してくれるのだろうが、そもそもラパスに乗り入れている航空会社自体かなり少ない上に、乗り入れているワンワールド加盟航空会社はアメリカン航空だけのようである。ひたすらごねても、埒があかない。明日の朝ラパスを出て、マイアミ経由でテキサス州のダラスまで行って、そこでアメリカン航空が手配してくれたホテルで一泊、翌日ダラスから成田に飛び立つプランだそうである。でも、今晩のホテルは手配してくれないとの事。そこまでの保証をする義務にはなっていないとの事。なんか不思議である。どうせ12日中に帰国できないんだったら、翌日の同じ便に乗って、同じルートで日本まで帰ったほうが、観光もできて時間も有効に使えていいだろうに。結局、どんなに粘っても12日中に帰国することは不可能ということが判明して、交渉を打ち切って諦めた。仕事に差し支えるけど、帰国不可能なのだから致し方ない。とりあえず、社内業務ばかりの部署に今いるので、なんとかなるだろう。二人組のうちの一人は関西の地銀勤務、一人は公務員浪人で、四月から就職との事。二人とも関西在住である。大学の同級生との事。話を聞いてみると、出身大学は京都産業大学との事。空港一泊も考えたが、子供のガム売りがさっきやってきた。結局買わなかったけど、誰でも入れるセキュリティーが甘いのかな。ちょっと不安になる。すぐ近くにホテルはあるようであるが、空港のカウンターの人に聞いたところ、ここエルアルト市は非常に危険なので、泊まるならラパス市内に戻った方がいいとの事。確かに外務省のホームページにも、エルアルト市は危険と書いてあった。どうやら、ラパスのすり鉢上にも入れない、地方出身のどちらかというと貧しい人たちがバラック小屋のような建物を建てて住み着いたところ、それなりの町ができたとの事。貧民外、スラムに近いのかもしれない。いずれにせよ、地元の人が危ないというのだから、本当に危ないのだろうし、やめておくことに。
 タクシーでラパスの市街地に戻る事に。すり鉢上の街を、今度は上から下っていく。本当に美しい夜景である。まさかこういう状況で見ることになるとは、すり鉢を登っていく時には夢にも思わなかった。一応一人が、旅行遅延保険に入っていて、遅延に伴ってかかった費用は領収書をもらえば弁済してくれるとの事なので、その彼にタクシー代などを立て替えてもらうことにした。運転手に領収書(Factura)くれといったら、持っていないといわれる。とにかく、そのかわりになるようにサインくれと交渉して、料金、空港からラパス市外へのタクシー代、会社名、運転手名、電話番等など、メモ用紙に書いてもらい、手書きのオリジナルの証明書を作ってもらった。結局、二人が前に泊まっていた宿に泊まる事に。宿のおばちゃんにはかなり驚いた顔をされた。とりあえず、三人同じ部屋に泊まることに。とりあえず、ベッド四つある部屋に案内されたが、実際問題手持ちの現地通貨が殆どない。必死に交渉して、かなり宿代をまけてもらった。一応空港には5:10位に来るように言われていたので、四時半くらいにタクシーを呼んでもらうようにお願いした。
 予想もしなかったハプニングに、途方にくれるものの、もうとにかく後は安全に帰るだけど、帰り道も気を緩めないように気を引き締めなおす。