八億人の車と二十億人の食料

 昨日に続いて時事ネタ。単に日常生活で書くことが少ないのと、自己啓発の為。浅はかな知識、どっかで聞いたような話を記憶をたどってつなぎ合わせた話、支離滅裂な思いつきの文章、なので予めご容赦を。あくまで個人的な思いです。
 たまたま立ち読みした雑誌(SPA!)のフレーズから考えたタイトル。
 既にご存知の方も多いと思うが、最近バイオ燃料で車を走らせるという動きがある。サトウキビなどからエタノールを抽出し、それで車を走らせるというものである。特にブラジルは国策として、エタノールの生産を増強していると聞いている。昔から石油は限りある資源でいずれは枯渇すると聞いていたので、最初聞いたときはいい傾向に思えた。やがてなくなるであろう石油に代わって、栽培すればなくならないであろうバイオエネルギーが広まるから。個人的には人類が永続的に繁栄するためには、循環可能な社会の確立が必要であると思っていたので。ただ蓋を開けてみると、また新たな問題が発生している。
 ブラジルが国策としてエタノールの原料となるサトウキビの栽培を奨励している。既にブラジルでは年間で発売されるの新車の半分がエタノール対応となっているという。ただ、サトウキビの栽培面積を増やすことによって、例えば熱帯雨林の伐採や、既に他の作物が植えられているエリアの栽培転換などが行われる。例えばブラジルは世界トップクラスのオレンジ果汁の輸出国であるが、サトウキビ増産に伴う原産によって、国際価格が上昇している。他にもトウモロコシや大豆の国際価格が上昇していて、普段の食料を購入するにも困難を伴う途上国の貧困層が打撃を受け始めている。
 つまり、エタノールの増産によって、新しい問題が起こっているのである。サトウキビは食べる部分が少なく、仮に今エタノール増産のために拡大したサトウキビ畑が大豆やトウモロコシ、小麦や米といった穀物だったとすれば、どれくらい多くの飢えている人たちの食糧を賄うことができるのであろうか、という議論がされている。その試算がこのタイトルにある、八億人の車と二十億人の食料といったような事である。本当に立ち読みなので、どういう計算をしたかまでは覚えていない。どっかのNGOか、どっかの学者だと思う。少し話がそれるが、穀物をそのまま食料にするのと、穀物を家畜に与えて肉を食べるのとでは、同じ単位栽培面積でどれくらいの人の胃袋を満たすことができるのか、という話もある。それを考えると、肉を食べるよりは穀物を食べた方が地球環境に優しい、ということである。同じ原理である。
 エタノールで走る車が広まる、それによって持続可能な社会ができてハッピーエンド、というわけには行かないことだけは、念頭に置くべきと思える。限られた面積しかない地球で養える人間の数は、どうしても限られてしまう。今の段階で、どうこうという結論は出せないが、本当に数少ないこのブログを読んでいただいている方々には、少しでも知ってもらいたいと思って、こういったことを書きました。そんな事知っているよとか、文章が支離滅裂という話はあるかもしれませんが。今の自分ができることから少しずつ始めようと思う。