岸和田だんじり祭

miyatan2007-09-16

 前々から興味があった、「岸和田だんじり祭」に行ってきた。丁度、15日、16日の開催であった。通勤用の定期券が御堂筋線の本町なので、本町からなんばまでひたすら歩く。およそ2km。でもこの散歩道が結構好きだったりもする。本町の近くは繊維系の卸問屋が多くて、心斎橋なら難波にかけては、百貨店やお洒落系な店もあり、食べ物屋も多く、あの有名なグリコ人形の道頓堀や、あの有名な食い倒れ人形、かに道楽やふぐ料理のづぼらやの名物看板が並ぶ。
 なんばからたまたま特急が着ていたので、乗る事二十分。南海線岸和田駅に到着。ちなみに急行だと25分くらい。何人か外国人も来ていた。電車に脚立を持ち込んでいる人もいた。かなり大勢の人が降り立った。関西空港に行く途中にある町程度の認識しかなくて、降りたのは初めてである。だんじり祭で有名なほかは、岸和田城の城下町であり、西武、巨人を経てオリックスに移籍したあの清原和博選手の出身地、という印象である。
 一般的に大阪南部は、泉州、あるいは和泉という。旧和泉国から由来している。和泉という、どことなく品のある発音とは裏腹に、割と荒々しい気質で知られている。自動車の「和泉ナンバー」は、ある雑誌のアンケート調査で日本で一番近づきたくないナンバーになっているらしい。。。周りの話を聞いていると、どうも大阪には「南北問題」があるらしく、北側の人は、南部の事を言葉が汚いとか、いろいろ言っているのをよく聞く。要するに、一般的なイメージとして、荒々しい気質であるといえよう。
 実際に行ってみて、だんじり祭をこの目で見て、確かに荒々しいお祭りであるとは思った。町で人グループを組み、一台数千万円(!?)といわれるだんじりをみんなで曳くお祭りである。神輿のようなものに車輪がついていて、若い人たちが綱を引っ張り、年配の男性が笛を吹いたり太鼓を叩いたりして、だんじりの一番上には男の人が乗っている。そして、交差点などを曲がるときに、掛け声とともに一気にだんじりが引かれ、太鼓が叩かれ、笛のメロディーが流れ、屋根の上に乗っている人は団扇を何度も振りながら大声を上げる。そんな感じである。
 このだんじり祭、大通りを通っているだけなら構わない物の、どうも狭い通りで一気にカーブを曲がる際に、角にある家の屋根瓦にぶつかって落としてしまうこともあるらしい。たまたま街中でだんじり祭の過去のそういった画像が流れていたが、それこそ電柱にぶつかったとか、人が十数人転んだとか、だんじりの上から落ちて転倒したとか、角の店の屋根にぶつかったとか、本当に多いらしい。今回目の前で見た中では、そういうシーンには出くわさなかったが。
 岸和田の町は、この日に人生のすべてをかけているかのごとく盛り上がっていて、町中の大通りは殆どだんじりが通るために通行止めにされ、警察官も総動員で交通整理に当たっていた。町中にいたるところに屋台が並んでいた。人口二十万くらいの中都市であるが、ここまで町が一体になっているのもすごいと感じた。人が本当に多くて、気温も三十度近く、途中雨が降って湿気も多くて、なんか疲れた。脚立を持ち歩いて見学している人もいた。
 見ていて本当に危険なお祭り、という印象を受けた。死人が出ることもあるらしい。まあそれでも、実際に参加している人が楽しんでいるのであれば、いいのではと個人的に思っている。去年阿波踊りを見物したときにも感じたが、横浜って数百年の歴史を誇る大きなお祭りってあまりないので、なんか羨ましかった。見る価値は十分にあると思う。