南京大虐殺記念館再開へ

犠牲者「30万人」の表示継続 南京大虐殺記念館再開へ

http://www.asahi.com/international/update/1211/TKY200712110364.html

 南京大虐殺記念館には昔行った。大学時代の26ヶ国75日間の旅の最初の訪問国が中国だった。大阪港から二日がかりでフェリーで上海に渡り、上海の次の訪問地が南京だった。その後、ポーランドユダヤ人大虐殺のアウシュビッツ収容所や、ユーゴ紛争で傷ついたボスニアヘルツェゴビナの首都サラエボも訪問した。

 入り口にある犠牲者数が刻まれた巨大な石碑が印象的だった。日本からの団体旅行客が、千羽鶴を沢山贈っていたようである。その他、戦争中の写真やら、虐殺されたものと思われる頭蓋骨や骨を掘り起こしたままの姿でショーケースで展示されていたり、すごく衝撃的であった。加害者国の人間としてみて、すごく胸が痛かった。昔、「南京大虐殺はでっち上げである」なんて発言して、更迭された政治家がいたような気がしたけど、誰でしたっけ?覚えている方いらっしゃいますか?

 その展示が、かつての12倍になるらしい。日本人である事が嫌になるくらいの展示が多かった。かなり凹んだ記憶がある。

 ただ、その展示の一番の締めくくりで、
 「かつて中国は日本軍にこれだけ酷い事をされたが、こうした辛い過去を乗り越えて今後は両国は仲良くして共に栄えていこう」
 みたいな事が書かれていたのが印象的だった。あれだけの事をされて…すごく大人な国に思えた。それがものすごい印象的。戦争中、米軍が原爆を投下したときに、中国のどっかの新聞は、
 「我々が憎むべきは日本の人民ではなく、日本の軍国主義である、こういう事をすべきではない」
みたいな記事が書かれていた、と聞いた記憶がある。

 急にそんな事を思い出した。人間は暗い過去から学んで、それを未来に生かしていくのだと思う。少しでも世界が平和になりますように、一人でも傷つき苦しむ人が減りますように、少しでも過去の憎しみを忘れ、人類が共存できますように。