秋の京都・保津峡・嵯峨野

miyatan2008-11-29

 前回の京都訪問から一週間足らずだけど、前回乗れなかったトロッコ列車に乗るべく再び京都に向かう。JTBで予めトロッコ列車の切符を予約しておいて。

 今回は、阪急正雀駅まで自転車で行って、そこから阪急京都線で阪急大宮駅に向かう。そこで嵐電に乗り換え、嵐電嵯峨まで。これで前回と足して、嵐電は全部乗ったことになる。最もそのためだけじゃなくて、単純に阪急嵐山駅からトロッコ嵯峨まで歩くのが結構遠くて面倒くさかったのもあったけど。

 トロッコ嵯峨駅の乗車券売り場は相変わらず行列が出来ていたけど、先週に比べたら並んでいる人数が明らかに少ない。それでも乗った列車は、指定席も立ち席も満席。9:50にトロッコ嵯峨駅を出発。

 山陰本線が電化、複線化され新しくルートが出来たのに伴い、旧ルートにトロッコ列車を走らせ、観光用にアレンジしたもの。当初の予想以上の乗客・売り上げの伸びだという。町おこしの成功例であると思う。

 噂通り、紅葉真っ盛り、風光明媚な景色が広がる。窓側をプッシュしたおかげで最初のうちは景色がよかった。進行方向左側の窓側だったけど、残念なことに扉近くで、窓は開けれなかった。途中で川を渡ってからは、風光明媚な景色は進行方向右側となってしまう。何度か写真撮影を試みるが、残念ながら満足の行く写真は取れなかった。それでも、渓谷美と紅葉が美しく、楽しめた。

 終点のトロッコ亀岡駅に着く。ものすごい人である。もう少し、駅の通路を広げるなど工夫は出来なかったものだろうか。周辺は、典型的な日本の田舎、という感じの風景である。ここからJR馬堀駅まで徒歩十分くらい。ローカル駅だけど、駅周辺だけ区画整備され、宅地化されていて、駅前に一つだけある高層マンションが、妙に周りののどかな景色とミスマッチだった。

 一駅だけ戻って、JR保津峡駅で下車。周囲に集落など無い秘境駅でもあるが、一応京都市内。意外と観光客が多かった。ここから保津川沿いに歩いてみる。時折保津川くだりの船が下る。少し歩くとトロッコ保津峡駅が見える。丁度トロッコ列車も来た。

 東海自然歩道を歩く。一昨日くらいに雨が結構降ったので、ハイキングコースは結構ぬかるんでいる。年配のおじさん、おばさんハイカーが沢山居た。おかげさまで、ジーンズの裾やスニーカーに結構な量の泥がついてしまう。

 頑張れば、神護寺まで行けたみたいだけど、中学の修学旅行で行った記憶もあるし、そこまで行く気力もなく、途中の清滝から嵐山方面に引き返そうと思ったとき、、、

 小雨が降りだす。。。

 天気予報の嘘つき。(涙)

 正直自分が今どの辺に居るかもわからず、ちょっと途方に暮れる。JR京都駅や、四条河原町方面のバスが来ていて、どっちに乗っても嵐山までは戻れそうなので、乗ろうかなあと思いつつも、雨宿りする。そのうちに雨もやんだ。頑張って歩いてみることに。

 清滝トンネルという狭くて長くて一直線のトンネルをひたすら歩く。あまりに狭いので、トンネルの出入り口で相互通行をしているみたい。なんか不自然だなあと思って調べたら、どうも戦前は愛宕山鉄道という鉄道が走っていたらしく、その廃線跡を道路にしたかららしい。しかもその廃線の理由が、決して経営難ではなく、戦時中に不急の路線と軍部に指定され、その線路はどうも、鉄くずとして兵器製造に使われたとか。戦後になって復活することなく、幻に消えたとか。

 トンネルを抜けると、鳥居本という古い町並みが広がる参道にたどり着く。藁葺き屋根や町屋風の民家が立ち並ぶ。鮎料理のお店も数件ある。

 時折雨が降る。雨宿りをかねて昼食を取る。湯豆腐定食。湯豆腐のだしと柚子がマッチして美味しかった。お店の入り口にある木々も見事に紅葉していた。

 祇王寺に入る。紅葉の名所としても有名。時は平安時代末期、平家物語によれば祇王とその妹昔平清盛のお気に入りの白拍子だった。たいそうな寵愛を受けていたらしい。清盛の寵愛が、後から入ってきた仏御前に移り、姉妹は館を追い出され、悲しみにくれた姉妹は母親とともに出家してここに籠もったという。時に祇王は、21歳、その妹は19歳。その後仏御前も出家してここに籠もったという。時に17歳。

 …平清盛は、ロリコンですか???

 という歴史があるらしい。

 境内の建物は、ネスカフェのCMにも使われたとか。紅葉もさることながら、庭に散っていった紅葉の葉っぱのしっとり感が、妙に綺麗だった。小雨がもたらした贈り物、でしょうかね。

 次に二尊院に入る。小倉山の麓。結構境内は広かった。入り口の門から続く参道は、「紅葉の馬場」と呼ばれているらしく、紅葉が美しい。小倉百人一首は、ここの境内にある時雨亭にて、藤原定家によって作られたとか。時雨亭は跡だけ残っていた。

 最後は、常寂光寺に行く。こちらも紅葉の名所として有名。入った瞬間、ここは紅葉もう終わりなのかなという地理具合だったけど、奥のほうに行くとまだまだ真っ盛り。多宝塔の裏側、丘の上から、京都の町を一望できた。とはいっても、そろそろ日暮れ時。段々日が暮れるのが早くなってきている。今日はここでおしまい。

 まさかここにきて、二週連続で京都に行くとは思っても居なかった。先週末の三連休と比較すると、かなり観光客は少なかったように思える。まだまだ来週末も、紅葉はもう少し残っている気がする。横浜方面からだと、新幹線に乗って、宿手配して、までしなきゃいけない京都に、週末思い立ったように気軽に行けるのは、今の自分の特権だと思う。結局今日かかったお金って、交通費や昼食代、お寺の拝観料を合計して三千円くらいだし。有意義な週末、だと思う。

 また財布と体力と天気と時間と相談しながら、ショートトリップを楽しみたいと思う。