静岡への転勤

 「静岡ですか?」

 さすがに、意外な展開に驚いた。忘れもしない、3月18日水曜日。プレゼン研修の発表の翌日。

 定時の少し前、上司に呼ばれ、面談。その日は仕事仲間との飲み会を控えていたので、早く帰りたい気持ちを抑えつつ、この時期にこのタイミング、ということはもしかしてと悟って、覚悟を決めて。

 世間一般のメーカーは非常に厳しい状況。うちの会社も例外ではない。トップが雇用を守る、といった手前、利益を確保するために、海外の出向者を帰国させ経費削減を図ったり、国内回帰で人員を国内営業に再配置したり、大胆なことをしている状況。そんな中での人事異動。

 でも意外と、ああやっぱりな、という気持ちも不思議とした。

 3年前の暮れ、今までのいくつかの部門を統合して出来た新しい部門、その立ち上げのために東京から大阪に転勤、営業職から企画職への転換。 

 夢と希望を持って期待されながら出来た部門でありながらも、何の因果かここ一年で驚くばかりの赤字部門に転落。

 うちだけでもなく他の赤字部門と、それゆえに余剰気味なっている工場から、かなりの人員を国内各地の営業の最前線に再配置する大胆な施策。ひたすら内勤の企画から、現場の営業へと。。。

 まあでも、静岡でよかったというのが本音。結構前から全社的にそういう話があることは聞いていたし。このタイミングで、東京勤務に戻りたいと強く思っていたけど、ちょっと意外な展開。本当、東京の都に戻ろうとしたけど、通行手形が無くて箱根の関所で追い返されて、静岡に落ち着いたとでも言うのかな。 (笑)

 入社以来、会社の中では非常にマイナーな仕事を一環として続けていたけど、全くの異分野の仕事をすることに。なんか折角今まで積み上げてきたものや、今まで築いてきた人間関係が、位置からやり直しになり、慣れ親しんだ人たちとも離れて、知り合いの殆どいない場所に行くことになり、正直寂しいし辛い。

 とはいうものの、都会生まれの都会育ちで、地方都市で生活したことも無いので、長い人生一度くらいそういう経験してみたいなあと密かに思っていたので、それが叶った形にもなっている。しかも、気候も温暖で、そこそこ都会で海もあり自然も豊かで食べ物も美味しそうで、地元横浜からも近い静岡。仕事はわからないけど、静岡はラッキーだと思っている。

 実を言うと、梅田のオフィスへは実質的に今日が最後の出勤日。発令が1日で、三日間で一気に引継ぎを済ませる。来週一週間は、大阪の別の場所で研修なので。後任がいるわけではないので、今いるメンバーに今までやっていた仕事を引き継いでもらうことに。結局7〜8人くらいに、私がやっていた仕事を分担して引き受けてもらう事に。改めて自分の業務を振り返ると、本当に守備範囲の広い業務をしていたなあと思う。

 やっぱりこの先、一緒に仕事してきた人たちの関わりが殆どなくなってくる、と思うと寂しい。人は減っても、仕事量が減るわけでもないので、残る人たちは今まで以上に忙しくなって大変になるんだと思う。

 同じ会社でありながら、別会社に転職したくらいに、勤務地も業界も仕事内容も、生活も一気に変わってしまう。全くの異分野。

 なんか、長かったような短かったような大阪生活にもうじきピリオドを打つことになる。でも人は、出会いと別れを繰り返して成長するもの。まあ、とことんポジティブに考えようと思っている。

 というわけで、静岡でお待ちしています。大阪時代は、うちの親含めて遊びに行くよ、と言われたまま結局誰も来なかったけど。(笑) 落ち着いたら遊びに来てください。静岡市になります。勤務先は駿河区で住居も駿河区になりそうです。最寄り駅はJR静岡駅で、最寄インターは東名高速の静岡インター、まさにそのままですよ〜。