大阪にサヨナラを告げる日

 日曜の朝7時という少しクレイジーな時間に引っ越し屋さんが来て、今は只ガランとした部屋に一人たたずむ。

 思えば、およそ二年と五ヶ月近くに及んだ大阪生活も、いよいよピリオドを打つことに。

 会社の独身寮。上の階の物音が筒抜け、廊下の話し声が響き渡り、ドアの開け閉めの音はいちいち鳴り響き、周辺の住環境は最悪に近いものがあって、結構早く立ち去りたいと思っている面があった。

 そりゃまあ、横浜中心部のみなとみらいが目の前の桜木町の新築マンションから、大阪の中途半端な郊外、工場と倉庫くらいしかない割には交通量も多く、空気も悪い場所の築40年への引越しとなれば、さすがにかなり凹んだ。

 風呂トイレ共同だったけど、裏を返せば自分で掃除する必要も無かったのである意味ラク。シャンプー、リンス、石鹸完備だったから、一度も買わなかったし。崩れ落ちそうなトイレの壁とは裏腹に、途中からウォッシュレットもついたし。何より、ガス代も水道代も払っていない。

 電気代は定額をいい事に、夏は冷房をガンガン利かせ、冬は暖房をガンガン利かせ、果てしなく地球環境に悪い生活を。まあもっとも、あまり風邪を引かずに済んだけど。超強力冷暖房(笑) たまに全部屋壊れたけど。(涙)

 平日二食、土日三食付だったし、残業してどんなに遅く帰宅しても、冷蔵庫に保管してあったので、そういう意味ではありがたかった。たまに、食事を止めるの忘れて、食べてもいないの代金だけ引かれる事もあったけど。(涙)

 築40年といえども、丁度リフォームしたての部屋への入居だったので、家具は新品、絨毯はしきたてで、気分は良かった。

 入社したときも一時期同じ建物にいたけど、飲み会はクレイジーだったし、建物はぼろかったし、本当はいる会社間違えたと思うくらい、泣きたいくらいだった。その頃から考えると、まあかなりよくなってきていると思う。

 何より、隣町の三洋電機の工場跡地に、大日イオンという関西最大級の超巨大なショッピングセンターが、引っ越す少し前に出来て、大阪在住中かなり重宝していた。横浜というか神奈川県自体に巨大ショッピングセンターが少ないので、珍しかったし、半日いても飽きなかった。

 大卒の同期もいなくなったし。入社当時からいた人の一部は、引っ越した時点で既に結婚して寿退寮したし、一部は期限切れで転居して行ったし。寮のイベントあまり顔出していないので、あまり顔と名前とかわからないし。

 そもそもこの部屋自体、引っ越し屋と管理人以外、誰も入ったことが無いという。本人以外、中がどうなっているか誰も知らないという。。。おかげさまで散らかり放題だったけど。(笑)

 寮での生活自体、自分の生活に合わなかったので、ストレス多かった。基本的にマイペースな性格なので、共同生活とか苦手だし。食堂で近くでタバコ吸われると、露骨に席移動していたし。玄関近くの喫煙コーナーを通過するときは、息止めて走り去ったし。挨拶くらいはしたけど、結局顔と名前があまり一致していないし。廊下の物音とか話し声とか、本当に嫌だったし。

 なんか色々書いたけど、後数時間で別れを告げます。やはり、寂しいですね。転居先は会社の借り上げのマンション。家賃は倍近くになるけど、それでも気楽。掃除、洗濯、料理、全部一人でやらなきゃと少し憂鬱になりつつも、考えてみれば大学生の時から経験済みの事なので、まあなんとかなるでしょう。

 ホテル生活を経て、火曜日からいよいよ新居での生活へ。しばらくはインターネット使えないと思いますが、よろしくお願いします。