北海道旅行 4

miyatan2009-08-24

8月11日(火)

 その日の朝は、突然の電話で目が覚めた。

 朝5:30。携帯の着信音が鳴り響く。目覚ましかな、と思ってきる。二回目。しかも番号通知は0120から始まるフリーダイヤル。いたずら電話にもほどがあるな、と思って切ろうとすると留守電になって、メッセージが残されていた。

 「静岡で震度6の大地震

 何てメッセージが残っていた。

 あわてて飛び起きて、テレビをつける。テレビの臨時ニュースが流れていた。静岡で震度6地震。映像では、駿河区のコンビニの、商品が床に散乱した様子が流れていた。

 部屋は大丈夫なのか、かなりあせる。

 サイド電話が鳴る。うちの会社で、多分外部の業者に委託しているんだけど、「災害時の安否確認システム」というのがあって、とりあえず登録はしているんだけど、まさか本当に使うことになるとは思ってもいなかった。

 とりあえず、無事ですか、家屋は無事ですか、出社できますか、何てメッセージが自動音声で流れたので、北海道にいるので関係ないので無事、家屋や家財は全く分かりません、出社も何も夏休みだし、という感じで登録はしておいた。

 気が気でなかったし、新幹線が止まったり、東名高速が崩れ落ちたり、色々ニュースは聞いたけど、死者は殆ど出ていなかったようなので、不幸中の幸い。

 まあ、今あわてて部屋に戻ろうが、休みの最後に戻ろうが、大して変わらないだろうと、不安な気持ちも大きかったけど、とりあえず旅は継続。

 宿で「てしかが2daysえこパスポート」を購入。二日間も使用しないけど、摩周湖屈斜路湖を巡るバスが乗り放題になるので、非常にありがたい。

http://www.eco-passport.net/

 とりあえず、YHを出たら、摩周湖第一展望台方面のバスに乗る。バイクの人が多い。車での家族連れの観光客も多い。

 そして、見れました、摩周湖が。ついに。高校の修学旅行で見れなかった無念が、十年ぶり以上に果たせた。

 とにかく、その美しさにただ見とれるばかり。透き通った、鏡のようなコメントそこに写る摩周湖。ただただ、その美しさに言葉を失う。


 霧の摩周湖が見えると、婚期が遅れる、なんていい伝えもあるけど、この際どうでも良かった。見えようが、見えなかろうが、「でもそんなの関係ねぇ」(←そういえば、最近余りテレビ出ていないですね…)、みたいな。別にどうなろうが、とにかく見たいから来たわけだし。

 バスに乗って摩周駅に戻る。10:21の列車に乗り、10:36に川湯温泉駅に到着。駅前で荷物を一旦預けて、今度は摩周湖第三展望台方面のバスに乗る。

 第一とはまた違った眺め。とにかくその美しさに、ただ見とれるばかり。どこからも水が流れ込まない、流れ出ない、湖岸は容易に人を寄せ付けない、そのことが摩周湖をより神秘的にしているのだと思う。


 川湯温泉駅に戻るバスで、香港から来た観光客の集団と一緒になった。というか、そのバスは運転手とガイドのおばちゃんと、その香港からの皆様と私だけしか乗っていなかった。他の人、バス使わないのかな。。。

 彼らは屈斜路湖に行きたいみたい。ガイドは摩周湖方面にしか乗らなくて、案の定その香港の方々は日本語ができないので、後を任せられる。

 川湯温泉駅でおばちゃんは下車、硫黄山までバスは行く。とりあえず、そこで昼食をとって、観光もする。ここも確かに、高校の修学旅行で訪れた場所。硫黄分で黄色く染まった岩。不思議な光景。硫化水素が吹いている。温泉卵を、作っている場所での匂いと一緒である。


 とりあえず、時間さえしっかりと彼らに伝えておけば、あとはどうにでもなった。時には写真をとってあげたりもした。

 まあ、いいんです。外国を旅行する時って、やっぱりその時に出会った人達の印象っていうのは重要だし、その国の人が親切であると感じてくれたら、お互いにハッピーだし。

 砂湯は、本当に砂を掘ったら、温泉が出てくる。小さな子供たちが、温泉を掘っている。屈斜路湖の怪物「クッシー」の像も展示されていた。


 屈斜路湖は、割と普通の湖、という気もした。屈斜路湖から釧路川が注ぎだす。

 香港の方々とも別れ、川湯温泉駅に戻る。川湯温泉駅15:40の網走行きの列車に乗る。知床斜里駅は、世界遺産知床半島への入り口となる駅。その駅を過ぎると、列車はオホーツク海沿いを走る。時折見える花々が美しい。オホーツク海も、高校の修学旅行以来の再会である。あの時は、サロマ湖に行った。冬場になると、流氷が訪れる。

 網走駅に到着。網走駅の木造の縦書きの駅名標は、すごく雰囲気があった。網走刑務所で刑期を追えた人が、網走駅から列車に乗るとき、この文字を見て二度と刑務所に戻らないようにと、強く誓うことを願っての事らしい。

 駅まで迎えが来てくれ、網走流氷の丘ユースに泊まった。北海道なのに、オーナーの妙に軽やかで楽しい関西弁。北海道に移住して、宿を開いたとの事である。